単話など
満月の夜
mixi2でfさんがポストしてたネタ🙏
設定は黒大豆。

血が滾る夜っていうのが、稀にある。
抗争で多くの血を見た夜だったり、賭け事で大勝ちした夜だったり。
今日の理由は、満月だったから。
雲ひとつない空の上にぽっかり浮かぶ満月を見て、思い出すのは当然仏頂面の恋人。
月に照らされていると、アイツに全身包まれ、暴かれ、見られているようで興奮してしまった。
足早にアジトに戻り、三蔵の部屋を訪れたが不在。けれど、どこに居ても隠れることができないほど月は明るくて、身体の疼きも止められない。
三蔵のベッドに横になって、三蔵の匂いを思い切り吸い込んだ。
それだけで身体が熱くてたまらなくなり、服を全て脱ぎ捨てる。
完全に勃ちあがったソレを掴んで緩く扱く。溢れてくる蜜をすくって、後ろに塗りこんだ。三蔵が欲しくてたまらないその場所は、くぱくぱと開閉していてあっという間に指を飲み込む。二本、三本と飲み込むが、自分の指では物足りない。
物足りないのを動きを激しくすることで埋めようとしてみるが、欲しいところまで届かない。
もどかしさに腰を揺らしながら自慰にふけっていると、ガチャりとドアの開く音がした。
部屋に入ってきた三蔵は、悟浄を見て一瞬静止したが、ため息をついてシャワールームへ入っていく。
悟浄は、待ちわびた人物が再び遠ざかっていってじい、焦れったい気持ちだけが増していく。
「ふっ、ン……さんぞ……」
自分一人ではイくことができず、竿を扱く快感だけではもう物足りない。
しばらくして、三蔵がシャワーを終えてベッドまでやってきた。
「てめぇ、俺のベッドで何ヤってんだ。自分の部屋でヤれ」
「身体が疼いちゃって仕方ないんだよ。手伝って?」
「気分じゃねえ。疲れてんだよ」
「じゃあ、チンコだけ貸してくれればいいから」
「ふざけんな。ひとりでヤってろ」
三蔵は悟浄をベッドから蹴り落とすと、シーツを被って悟浄に背中を向けて横になる。
「いててて……。なんだよ、自分がヤりてぇときは俺の都合なんか聞かねーくせに」
だが、これくらいで収まる熱ではなかったし、蹴り落とされたくらいで諦められたら三蔵とは付き合えていない。
悟浄はシーツを下から捲って、三蔵のズボンと下着を引き抜いた。
「……おい、やめろ」
「寝てていーから。勝手にヤってるから」
再び蹴り落とそうとする足を掴み、ふにゃりと柔らかい三蔵のモノを口に含む。
抵抗しようとすれば軽く歯を立て、問答無用でしゃぶってやった。
「てめ、悟浄……ッ」
「あは、勃ったじゃん」
悲しいかな、同じ男なんだからどうすればいいかなんてわかっている。あっという間に硬くなった三蔵のモノに頬擦りをして、先端にちゅっとキスをした。
「じゃ、イタダキマス」
悟浄は三蔵の上に跨ると、既に柔らかく解けきったナカに奥まで一気に迎え入れる。
「んああッ、はっ、キモチ……」
「くっ、うっ」
悟浄は後ろに手を付き、繋がっている所が三蔵にもよく見えるようにして動き始めた。
一人でシているときに使ったローションが泡立ち、じゅぷじゅぷと卑猥な音が部屋を満たす。
「あっ、ンっ、ふっ」
悟浄はようやく欲しかったものに満たされ、ひとりでは届かなかった奥ばかりを狙って腰を動かす。
あっという間に身体は絶頂に向かって駆け上がり、
「っふ、イク、イク、ぁン……!」
ぐっと胸を突き出し、ビクビクと跳ねながら悟浄は果てた。悟浄の吐き出した白濁は悟浄の腹を伝って結合部を濡らしている。
仰け反っていた身体を前に戻し、汗で張り付いた髪の毛をかきあげると悟浄は三蔵の上から降りようとして腰が動かないことに気づいた。
「手、離してくんない?」
果てた後で力の入らない足腰は、腰を強く掴む三蔵の手を振り解けない。
三蔵は悟浄の問いには答えず、掴んだ手で悟浄を軽く持ち上げると手を離し、同時に下から腰を突き上げた。
「ああッ!」
突き上げた勢いで浮いた悟浄を再び掴み、落として突き上げるのを繰り返す。悟浄はただ必死に三蔵の腹に手をついて身体を支えていた。
「やっ、あっ、さん、ぞ」
「好き、勝手、しやが、って」
今だ果てていない三蔵のモノは、硬く反り返って悟浄のイイトコロをしっかり狙って擦ってくる。
「あ、だ、め、また、イく……ッ」
「こんなもんじゃ、足りねぇだろ?」
「…………ッ!」
今度はナカだけで悟浄は果てた。再び胸を突き出す形でビクビクと震えていると、三蔵がぐっと上体を起こして悟浄を後ろに押し倒した。
そして、入ったままの三蔵のモノは未だ硬度を保ったままで……。
「今度は俺に付き合え」
「……エンジンかかるの遅ぇんだよ」
「勝手に始めたのはてめぇだろ」
「にしても、遅くない? お年かね〜?」
「…………ああ、そうかもな。お若いてめぇは俺がイくまで何回イくんだろうな?」
「ちょ、ごめんってば冗談じゃん! うそ、や、あ、あ!」
「責任は自分で取れよ、悟浄」
「やああああッ!」
満月が沈むまで、二つの影は絡み合っていた。